“熱灰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あつはい37.5%
あつばい25.0%
あつばひ12.5%
ねつかい12.5%
ねつくわい12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
熱灰あつはいの入っている小さな壺で自分自身か自分の子供かの手足の指の凍痛をやわらげようとしてみていたのを、その壺を戸口段のところにほおっておいて来た女は、壺のところへ戻った。
私が何か言うと、「起きたかな、お目ざましをあぎょう」と言って母はくど熱灰あつばいの中に埋めておいた朝鮮芋を取りだして、その皮をむいて持って来てくれた。
私の母 (新字新仮名) / 堺利彦(著)
雪子ははうきと塵取とを持つて来てくれ、私は熱灰あつばひを塵取の中に握り込むやうなことをしたが、畳の上にあちこち黒焦げが残つた。私は真赤に顔を染めて雪子の父にあやまつた。
途上 (新字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
熱灰ねつかいの下より一体のかばねなかば焦爛こげただれたるが見出みいだされぬ。目も当てられず、浅ましういぶせき限を尽したれど、あるじの妻とたやすく弁ぜらるべき面影おもかげ焚残やけのこれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
一説に依れば仏人の脚肉きやくにくを食ふは、ことさらに英人の風習に従ふをいさぎよしとせざる意気を粧ふに過ぎず。故に仏人の熱灰ねつくわい上に鱷の脚をあぶるを見て、英人は冷笑すと。