烈風れっぷう)” の例文
しかも秋はすでに去らんとして冬は眼前にせまっている、烈風れっぷうひとたびおそいきたらばサクラ号はまたたくまに波にのまれてしまうだろう。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
烈風れっぷう吹き、波の音高し。荒れ狂う海の上に利鎌とがまのごとき月かかる。雲足くもあしはやく月前をかすめ飛び舞台うす暗くなり、またほのあかるくなる。俊寛よろめきながら登場。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
烈風れっぷう」「激浪げきろう」「横転おうてん」という三つの言葉が出ると、人造人間は別々の新しい行動を起し、遂に「撃沈げきちん」という言葉を聞くと、すっかり元どおりに函の中に収ってしまった。
人造人間事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうおもうとわたくしはわれをわすれて、おかうえからりようとしましたが、その瞬間しゅんかんたちまちゴーッとみみもつぶれるような鳴動うなりともに、いままでとはちがって、西にしからひがしへときをかえた一じん烈風れっぷう