涼風すゞかぜ)” の例文
暑いと云ふ心地の忘られたのは此処ここへ着いた時からなのであらうか、市中を見おろして居た時の涼風すゞかぜからか、よく意識しない。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
以前いぜんは、へん樣子やうすもこんなではかつた。涼風すゞかぜ時分じぶんでも、團扇うちは片手かたてに、手拭てぬぐひげなどして、派手はで浴衣ゆかたが、もつと川上かはかみあたりまで、きしをちらほら徜徉ぶらついたものである。
月夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
與助 (なんだか氣の毒さうに。)朝晩はめつきりと涼風すゞかぜが立つて來ました。
権三と助十 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
神を祈らば、あのマリウチアの腐女くさりをんなが、そちにも我にも難儀を掛けたるを訴へて、毒にあたり、惡瘡を發するやうに呪へかし。おとなしく寐よ。小窓をば開けておくべし。涼風すゞかぜ夕餉ゆふげの半といふ諺あり。
早や秋、早稲の穂づらを飛ぶとりの一羽二羽かろ涼風すゞかぜをち
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
近き涼風すゞかぜの中に立麝香草たちじやかうさうの香り……
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
はすに吹く涼風すゞかぜの拍子に乗りて
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
金属質の涼風すゞかぜ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)