水鷄くひな)” の例文
新字:水鶏
螢とびかふ夕闇の空に水鷄くひなのたゝく音、美景ものとして足らずといふことなし。
芭蕉 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
つまさせ、てふ、かたさせ、ときますなかに、くさですと、そこのやうなところに、つゆ白玉しらたまきざんでこしらへました、れう枝折戸しをりどぎんすゞに、芥子けしほどな水鷄くひなおとづれますやうに、ちん、ちん……とかすか
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
水鷄くひな鐵棒かなぼうをひくやうに、雨戸あまどもたゝけば、溝端みぞばた突駛つツぱしる。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)