“水瓶”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みずがめ57.4%
みづがめ21.3%
すいびょう4.9%
みづかめ4.9%
フラスコ3.3%
すいべい1.6%
すゐびん1.6%
びん1.6%
みずかめ1.6%
みずびん1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
草心尼は、かたく自信していた母の懐に、ふと、水瓶みずがめのヒビでも見たときのような不安と淋しさを抱かせられて、子の姿を見まもった。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かぶつた滿谷は「ゆうべ汲んで置くのを忘れたら、今朝けさ水道が凍つて水が出ない」と云つて水瓶みづがめを手にしたまゝ煖炉ストオブの前に立つて居た。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
もう一方の手の先きで、ちょいと軽くつまんでいるきりの水瓶すいびょうなどはいまにも取り落しはすまいかとおもわれる。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
火を吹きおこしたり、水瓶みづかめを洗つたりしてゐるうち広樹は急に気分が悪くなつたといつて横になつた。
そのうしろから、キャラコさんが水瓶フラスコを持って、みなの葡萄酒を、ほんのり薔薇色か、ひょっとすると、あけぼのの色くらいに薄めてあるく。
水瓶すいべいを一ぱいにして置け。どうせすぐ
どうぞカルプルニアさんに宜しく言つてくれ給へ。そして子供達に接吻して遣つてくれ給へ。あの水瓶すゐびんはもうつくに君の本宅の方へ届けて置いた。そんならこれで擱筆する。
船にのぼりしころは日ようやく暮れて東の空には月いで、わが影淡く甲板に落ちたり。卓あり、粗末なる椅子いす二個を備え、主と客とをまてり、玻璃はり製の水瓶びんとコップとは雪白なる被布カバーの上に置かる。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
竹内の組から抜いて高見につけられた小頭千場作兵衛は重手おもでを負って台所に出て、水瓶みずかめの水をんだが、そのままそこにへたばっていた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
うしろの水瓶みずびんから水を注いで、紳士は露八の背を軽くゆすぶった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)