此方衆こなたしゅう)” の例文
(とうなじをすくめて、頭をで)……近頃、此方衆こなたしゅうの前ながら、やかた、剣ヶ峰千蛇ヶ池へ——熊に乗って、黒髪を洗いに来た山女の年増としまがござった。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
玉代ぎょくだいだけ損をしやはれ、此方衆こなたしゅうの見る前で、この女を、海士あまにして慰もうと、月の良い晩でした。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)