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森羅万象
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しんらばんしょう
ふりがな文庫
“
森羅万象
(
しんらばんしょう
)” の例文
旧字:
森羅萬象
昔の仙人は、一つの
壺
(
つぼ
)
の中に
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
の姿を見たというが、一杯の茶碗の湯の中にも、全宇宙の法則があるということも出来よう。
「茶碗の湯」のことなど
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
ことごとく音楽の題材ならざるはなく、その思想の動きがすべて旋律と和声とを持っていたと言っても
差
(
さ
)
しつかえはない。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
をいちいちそれに類似した色で現わさねばならぬという仕事は、私にいわせると
細工師
(
さいくし
)
の仕事で、美術の範囲ではありません。
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
よく考えると何にもないのに、通俗では
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
いろいろなものが
掃蕩
(
そうとう
)
しても掃蕩しきれぬほど雑然として宇宙に
充牣
(
じゅうじん
)
している。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
目を天地自然の
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
に映してその心の沈潜するのを待って、そうしてあるかないかの一点の火がその心の底に
灯
(
とも
)
り始めて
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
私は日常応接する
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
に親しみを感じ、これを
愛玩
(
あいがん
)
しては、ただこの中にプレイしているのだと思っている。
亡び行く江戸趣味
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
ことごとく
皇国
(
すめらみくに
)
に御引寄せあそばさるる趣きを
能
(
よ
)
く考へ
弁
(
わきま
)
へて、
外国
(
とつくに
)
より来る事物はよく選み採りて用ふべきことで、申すも
畏
(
かしこ
)
きことなれども
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
この考えを更に押し拡め直接筋力と比較する事の出来ぬ種々の引力斥力を考えて
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
を整然たる規律の下に整理するのが物理学の主な仕事の一つである。
物質とエネルギー
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
わずか四つの
絃
(
いと
)
に、
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
の悲喜さまざまな感情を
奏
(
かな
)
でて人を動かそうとする芸術家である以上
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
実物とすこしも違わぬ
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
が見えるかと思うと、想像も及ばぬ奇抜、不自然な風景や、品物がゴチャゴチャと現われたり、その現われた風物に、現実世界に於ける心理や、物理の法則が
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし一旦体得したなら、
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
は自由自在、宇宙をさえも
制御
(
せいぎょ
)
出来る
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
蓮
(
はす
)
の糸、一筋を、およそ枚数千頁に薄く織拡げて、一万枚が
一折
(
ひとおり
)
、一百二十折を合せて一冊に
綴
(
と
)
じましたものでありまして、この国の微妙なる光に
展
(
ひら
)
きますると、
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
、人類をはじめ、動植物
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
四季の循環によって花鳥草木その他天然界の
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
はその形象を異にします。春夏秋冬という事を忘れては、景色は存在しないのであります。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
また
一茶
(
いっさ
)
には
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
が不運薄幸なる彼の同情者
慰藉者
(
いしゃしゃ
)
であるように見えたのであろうと想像される。
俳諧の本質的概論
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
その御神徳の広大なる
故
(
ゆえ
)
に、
善
(
よ
)
き
悪
(
あ
)
しきの選みなく、
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
のことごとく
皇国
(
すめらみくに
)
に御引寄せあそばさるる趣を
能
(
よ
)
く考へ
弁
(
わきま
)
へて、
外国
(
とつくに
)
より来る事物はよく選み採りて用ふべきことで
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
人間の脳髄が全身三十兆の細胞の一粒一粒の中を動きまわる意識感覚の
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
を同時に照しあらわしている有様は、
蜻蛉
(
とんぼ
)
の眼玉が大千世界の上下八方を一眼で見渡しているのと同じ事である。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
芭蕉は万葉から元禄までのあらゆる固有文化を消化し総合して、そうして蒸留された国民思想のエッセンスを
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
に映写した映像の中に「物の本情」を認めたのである。
俳諧の本質的概論
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
自然の
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
がただ四個の座標の幾何学にせんじつめられるという事はあまりに堪え難いさびしさであると嘆じる詩人があるかもしれない。しかしこれは明らかに誤解である。
相対性原理側面観
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
“森羅万象”の解説
森羅万象(しんらばんしょう、しんらばんぞう、しんらまんぞう)は、あらゆる現象、宇宙に存在する一切のもの。「森羅」は樹木が限りなく茂り並ぶことであり、「万象」は万物やあらゆる現象。なお、「宇宙」はあらゆる存在物を包容する無限の空間と時間の広がり、及び宇宙空間を指す。
キリスト教徒であるイエズス会は、「御主デウス森羅万象ヲツクリタマウ」と『日葡辞書』で記した(デウスは神、創造主の意)。
(出典:Wikipedia)
森
常用漢字
小1
部首:⽊
12画
羅
常用漢字
中学
部首:⽹
19画
万
常用漢字
小2
部首:⼀
3画
象
常用漢字
小5
部首:⾗
12画
“森羅万象”で始まる語句
森羅万象人畜草木