“根(ネ)” の例文
三神分治の神話は、世界を分って、或は天と地とし、或は天地と根(ネ)ノ国(クニ)とし、或は高天原と夜之食国(ヨルノオスクニ)と滄海原(アオウナバラ)とす。
比較神話学 (新字新仮名) / 高木敏雄(著)
わが国に於いても、尠くとも出雲人の上には、其痕跡が見えてゐる。水葬した人々のゐる国土を海のあなたに考へ、その国に対する恐れが、常夜・根(ネ)の国を形づくる様になつた。
翁の説を詮じつめれば、夜見(ヨミ)或は、根(ネ)と言ふ名にこめられた、よもつ大神のうしはく国は、祖々(オヤ/\)に常夜(トコヨ)と呼ばれて、こはがられて居たことがある、と言ひ換へてもさし支へはない様である。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「かくかゝ呑みてば、気吹戸(イブキド)にいますいぶきどぬしと言ふ神、根(ネ)の国・底(ソコ)の国にいぶき放ちてむ。かくいぶき放ちてば、根の国・底の国にいますはやさすらひめと言ふ神、持ちさすらひ失ひてむ」
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「妣(ハヽ)が国」と言ふ語はすさのをの命といなひの命との身の上に絡んで、伝はつて居る。すさのをの命は亡母(即、妣)いざなみの命の居られる根(ネ)の国に憧れて、妣が国に行きたいと泣いたとある。
信太妻の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)