“常夜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
とこよ62.5%
トコヨ37.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
常夜とこよ長鳴鳥ながなきどりといふものの聲が闇の空を破つて遠くにも近くにも起つたが、そこいらはまだ暗かつた。そこへ今度は逞しい『力』の神が來た。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
窓のない常夜とこよの部屋、眩暈めまいの様にゆれる部屋、その上に、今は又、隙間もないのに、絶えずどこからか見張られていることが分った。凡てが普通でない。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
愛護の家に仕へる女に、大津坂本猿堂守りの娘、穴生生れの猿の扱ひ方を知つた常夜トコヨと云ふ早苗之助の女房になる女がある。
愛護若 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
此意味に古くから口馴れた成語と思はれるものに「常夜トコヨく」と言ふのがある。かうした「ゆく」は継続の用語例に入るもので、絶対の闇の日夜が続く義である。
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)