智者ちしゃ)” の例文
と、これはよくったことばです、智者ちしゃ哲人てつじん、もしくは思想家しそうかたるものの、他人たにんことなところてんは、すなわちここにるのでしょう、苦痛くつうかろんずるとうことに。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
何か仔細ある事と土佐守殿も智者ちしゃでございますから、其のほか御老中のお月番の時は、文治の口供を持ってまいるのを見合せまして、又々右京殿お月番の時に
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
智者ちしゃの貴様も智にあやまることがあるように、信長こんどは過った。そちからの質子の松千代は、この一月、信長が命じて首を討たせた。……うらむか、わしを」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
千鈞せんきんかなえを挙げる勇者をかれは見たことがある。めい千里の外を察する智者ちしゃの話も聞いたことがある。しかし、孔子に在るものは、決してそんな怪物かいぶつめいた異常さではない。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)
天台宗のお寺などでは、この日がちょうど天台智者ちしゃ大師の忌日に当るために、そのつもりで大師講を営んでいますが、他の多くの田舎では、これも弘法大師だと思っているのであります。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
智者ちしゃは惑わず
空襲警報 (新字新仮名) / 海野十三(著)
実に伯父さまは一通りならざる智者ちしゃだから、わたくしは本当に怖いよ、私も放蕩ほうとうを働き、大塚おおつかの親類へ預けられていたのを、当家こちらの伯父さんのおかげうちへ帰れるように成った
しかし、かれには二千の野武士のぶしがあり、幾百の猛者もさ、幾十人の智者ちしゃ軍師ぐんしもいることじゃ。なかなか七十人や八十人の小勢こぜいでおしよせたところで、たやすく嶮所けんしょくるわは落ちまいと思う
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きみ彼等かれらしんじなさるな。うそなのです。わたし病気びょうきうのはそもそもこうなのです。二十年来ねんらいわたしはこのまちにいてただ一人ひとり智者ちしゃった。ところがそれは狂人きちがいであるとう、これだけの事実じじつです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
一失いっしつ智者ちしゃ智亡ちぼう
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
智者ちしゃ無智者むちしゃ
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)