散敷ちりし)” の例文
日蔭ひかげ泥濘ぬかるみところが——そらくもつてた——のこンのゆきかとおもふ、散敷ちりしいたはな眞白まつしろであつた。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
みちにさした、まつこずゑには、むさらきふじかゝつて、どんよりした遠山とほやまのみどりをけた遅桜おそざくらは、薄墨色うすずみいろいて、しか散敷ちりしいた花弁はなびらは、ちりかさなつてをこんもりとつゝむで、薄紅うすあかい。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)