“散乱”のいろいろな読み方と例文
旧字:散亂
読み方割合
ちらか31.6%
さんらん26.3%
ちりみだ21.1%
とりちら10.5%
ちらば5.3%
ちらばっ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
三吉は一ぱい物の散乱ちらかしてある縁側のところへ行って、この阿爺おとっさんとも言いたい年配の人の前に立った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
雪吹ふゞきなどにつもりたる雪の風に散乱さんらんするをいふ。其状そのすがた優美やさしきものゆゑ花のちるを是にして花雪吹はなふゞきといひて古哥こかにもあまた見えたり。
ひかりやゝよわく、きぬのひた/\とところに、うすかげ繊細かほそくさして、散乱ちりみだれたさくらはなの、くびにかゝつたまゝ、美女たをやめは、ひたひてゝ、双六盤すごろくばん差俯向さしうつむいて
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
いつも其机の上には新聞が置いてある。戸を開けて入つて見ると、信毎は一昨日の分も残つて、まだ綴込みもせずに散乱とりちらした儘。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
松太郎はトロリと酔つて了つて、だらしなく横座よこざ胡坐あぐらをかいてゐる。髪の毛の延びた頭がグラリと前に垂れた。葡萄酒の瓶がその後に倒れ、漬物の皿、破茶碗かけぢやわんなどが四辺あたり散乱ちらばつてゐる。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
巾着の紐が指に引懸って横になるとパラ/\/\と中から金子かね散乱ちらばったから慌てゝお筆が之を隠し手拭を一筋ひとつに一朱銀を一個ひとつ出して
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)