つね)” の例文
馬のかかとみたいに黒ずんで固くなってつねっても痛くも何ともないナンテいう恐ろしいのを丸出しにしているのは、国辱以外の何ものでもアリ得ないと思うわ
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
つねつてもたしか活返いきかへつたのぢやが、それにしても富山とやま薬売くすりうりうしたらう、様子やうすではとうになつて泥沼どろぬまに。
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
無暗むやみつねるけれども、お久は何も知らぬから、芸があがると思いまして、幾ら捻られてもせっせと来ます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
良人おっとに似たものか、どうか、こちらで気まずくなるほどの無口だが、子供を叱るときは吃驚びっくりするほど邪見な早口で、しかもひそかにすばやく手足のどこかをつねったりするようすは怖いようだった。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
富「あゝ痛い、つねってはいけない、そういう……又充溢いっぱいになってしまった……いけないねえ……だが、お隅さん、本当に御疑念はお晴らしください、富五郎迷惑至極だてねえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
頬片ほゝぺたつねる、股たぶらを捻る、女郎は捻るのが得手で、禿かむろなどに
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
おらような年いった弱えもんだと馬鹿にして、三つも四つも殴りアがって、斯う云う旦那につかまると魂消たまげてやアがる、我身をつねって他人ひとの痛さが分るだろう、初まりの二つは我慢が出来なかったぞ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)