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ほ
ふりがな文庫
“
投
(
ほ
)” の例文
(むかし/\大雅堂は謝礼を封の儘、畳の下へ
投
(
ほ
)
り込んで置いたといふが、その頃には狡い呉服屋の
封銀
(
ふうぎん
)
といふ物は無かつたらしい。)
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「こっちには、ちゃんとわかってるんだ。……野郎共、こいつの身ぐるみ、
剥
(
は
)
がしてしまえ。裸にしたら、瓢箪池に
投
(
ほ
)
りこめ」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
ベナン族の酋長の葬式には、墓の側に徳利形の大きな深い穴を掘って、その口から大勢の奴隷や召使を
投
(
ほ
)
おり込んで、そこに餓死さしてしまう。
奴隷根性論
(新字新仮名)
/
大杉栄
(著)
その下へ赤いものがついている——面白くもないようにつぶやいたがそのままポイと
投
(
ほ
)
り出して、右手をのばすと地に置いてある綴じ紙を取り上げてめくり出した
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
文太郎君は三和土の上に靴を
投
(
ほ
)
うり出すし、エミ子さんは
仏蘭西
(
フランス
)
鳩のような声を出して笑いました。
四月馬鹿
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
▼ もっと見る
祖母
(
おばあ
)
さんが
厠
(
はばかり
)
へゆきたくなったとお言いだから、
開
(
あ
)
けてもらいましょうというと、なに頼みなんぞおしなさんな、
先方
(
むこう
)
から悪かったと開けにくるまで
投
(
ほ
)
ったらかしておおき
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「なるほど、それなら遠くから
投
(
ほ
)
って、首へ引っ掛けられる、——お前はどこの生れだ」
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
十
間
(
けん
)
間口
(
まぐち
)
、大戸前の表の戸を、すっかり下ろして、灯という灯を、ことごとく消してしまった、米問屋に向って、バラバラと
投
(
ほ
)
うりつけ、すさまじい憎悪の
叫喚
(
きょうかん
)
をつづけている。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
大阪の
市街
(
まち
)
に困つてゐる人達よ、一度雨降りの日に自動車の窓から池上市長や市会議員やを
泥濘
(
ぬかるみ
)
のなかに
投
(
ほ
)
り出してみたらどんなものだらう。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
般若の五郎さんが、玉井さんを浅草におびきだし、与太者たちを集めて、身ぐるみ
剥
(
は
)
いだうえ、瓢箪池に
投
(
ほ
)
りこもうとしたのも、玉井さんが、母を苦しめた仇討をするつもりだったのでしょう。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
「いろいろな図面が描いてあるがこれには用はない」——でまたポイと
投
(
ほ
)
り出したが、いまだに酔いが醒めないと見えて再度両手で膝を抱き膝頭の上に顔をあて、すぐにうとうとと眠りにはいった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
見ると寝椅子の上に
古綿
(
ふるわた
)
のやうなものがあるので、ぶつ/\言ひながらそれを引つ掴むで
反古籠
(
ほごかご
)
のなかに
投
(
ほ
)
り込んだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
一度他の巣の蟻がこの酔ひどれを見つけた事があつたが、その折は少しの
容捨
(
ようしや
)
もしないで、いきなり相手を啣へて水溜りのなかに
投
(
ほ
)
り込んでしまつた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すると、英軍の塹壕から、小石を
包
(
くる
)
んだ
紙片
(
かみぎれ
)
が一つ、独軍の塹壕に
投
(
ほ
)
り込まれた。なかにはこんな文句があつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ラボツクは蟻の研究で聞えた人だが、ある時一匹の蟻をウイスキイの
洋盃
(
コツプ
)
に
投
(
ほ
)
り込んで、したたか酒に酔はせた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
皺くちやな
浴衣
(
ゆかた
)
を着た梅干爺さんで、こんな邸の中で無かつたら床屋は
襤褸
(
ぼろ
)
つ
片
(
きれ
)
と間違つて、
掌面
(
てのひら
)
に
揉
(
も
)
みくちやにして屑籠に
投
(
ほ
)
り込んだかも知れなかつた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そして女中の持つて来た物尺を
引手繰
(
ひつたく
)
るやうにして、日本と英吉利との距離を克明に測つてゐたが、暫くすると、地図と物尺とを一緒に
其辺
(
そこら
)
に
投
(
ほ
)
り出した。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
石川氏はかうして方々引ずり廻されて、
漸
(
やつ
)
と日暮前にへとへとに疲れた体を見ず知らずの町に
投
(
ほ
)
り出された。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
すると今度は英軍の塹壕から、一シルリングの銀貨が一つ空に
投
(
ほ
)
り上げられた。独軍の塹壕で矢庭に小銃の
爆
(
は
)
ぜる音がしたが、
弾丸
(
たま
)
は
外
(
そ
)
つ
方
(
ぽう
)
へ逸れてしまつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
旅行から帰つて、暫くすると、船橋氏は乙羽から『欧山米水』といふその折の観光記を受取つたが、別に
開
(
あ
)
けても見ないで、その儘本棚の隅つこに
投
(
ほ
)
り込んでおいた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
喜田氏は慌てて
喫
(
す
)
ひさしの煙草を空缶のなかに
投
(
ほ
)
り込んで、そ知らぬ顔をしてゐた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“投”の意味
《名詞》
(トウ) 野球で、投手力。
《動詞》
なげる。
(課題などを)提起する。
投入する。
投獄する。
光などを投げかける。
放棄する。
資力・労力などをつぎ込む。
薬などを投与する。
身を入れる。身を置く。
乗る。
投宿する。
投降する。
一致する。合う。
(出典:Wiktionary)
投
常用漢字
小3
部首:⼿
7画
“投”を含む語句
投込
投出
打投
巴投
背負投
投網
投遣
投函
身投
投錨
投機
投身
投懸
間投詞
投棄
投付
投入
投擲
投捨
投下
...