手短てみじ)” の例文
これこそ、時限じげん暗号というもので、音と音との間隔が、暗号数字になっているのであった。私は白木の傍へとんでいって、手短てみじかにこれを報告した。
暗号音盤事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
是がなお未決のままで残るが、その参考になる少しの事実もある。ちょうどこのついで手短てみじかにそれを述べておきたい。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ナニわたくしぬる前後ぜんご事情じじょう物語ものがたれとっしゃるか……。それではごく手短てみじかにそれだけ申上もうしあげることにいたしましょう。今度こんどこそ、いよいよそれっきりでおしまいでございます……。
彼女は、私が自分の家庭教師だと聞いて、側へ來て私と握手した。で、私は朝食に彼女を連れてゆきながら、彼女の話す言葉で少しばかりものを云ひかけてみた。最初彼女は手短てみじかに答へた。
手短てみじかに私の心づいたことを述べておくと、その一つはニライまたはニルヤという単語の由来を尋ねることである。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
僕は手短てみじかに経過を報告して、憲兵隊の方々かたがた同道どうどうして来たことをセントー・ハヤオに物語りました。相手は大変嬉しいという意味の符号を打ち返して来ました。
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
そこで竹見は、手短てみじかに、ハルクのことをはなして、丸本にもハルクを見かけなかったかとたずねたが、丸本もやはり知らないとこたえた。竹見は、いよいよ落胆らくたんした。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私はそのわけをこれこれですと、手短てみじかに兄に話をしてきかせました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)