くはし)” の例文
はざまが影を隠す時、僕にのこした手紙が有る、それでくはしい様子を知つてをるです。その手紙を見た時には、僕もふるへて腹が立つた。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
十分間じつぷんかん七十五輌しちじふごりやうあへ大音寺前だいおんじまへばかりとははない。馬道うまみちくるままつた。淺草あさくさはうくはしことは、久保田くぼたさん(まんちやん)にくがい。……やま本郷臺ほんがうだい
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
くはしく申立しかば越前守殿は此趣きを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お話を聞いて見ると、貴方が今日こんにちの境遇になられたに就いては、余程深い御様子が有るやう、どう云ふのですか、くはしきかして下さいませんか」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
くはしことあづかるが、水上みなかみさんは、先月せんげつ三十一にちに、鎌倉かまくら稻瀬川いなせがは別莊べつさうあそんだのである。別莊べつさうつぶれた。家族かぞく一人いちにん下敷したじきんなすつた。が、無事ぶじだつたのである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
まあくはしく申上げれば、長いお話も御座いますが、これも娘と申すのは名のみで、年季で置いたかかへも同様の取扱とりあつかひを致して、為て遣る事は為ないのが徳
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)