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御機屋
紅潮をいむ事は
勿論也。
他の娘らなど
今日は
誰どのゝ
御機屋を
拝にまゐるなどやうにいふ也。
神の御
罰が
夫婦の
縁となりしも
奇遇といふべし。こは我が
幼かりし時の事也き、筆のついでに
記して
御機屋の
霊威ある事をわかふどにしらしむ。あなかしこ。
畏べし、
慎むべし。
その
中央に
機を
建る、
是を
御機屋と
唱へて
神の
在がごとく
畏尊ひ、
織人の
外他人を入れず、
織女は
別火を
食し、
御機にかゝる時は衣服をあらため、
塩垢離をとり、
盥漱ぎこと/″\く
身を
清む