“得挙”の読み方と例文
読み方割合
えあ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
油断せる貫一が左の高頬(たかほ)を平手打に絶(したた)か吃(くらは)すれば、呀(あ)と両手に痛を抑(おさ)へて、少時(しばし)は顔も得挙(えあ)げざりき。蒲田はやうやう座に復(かえ)りて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
枕をも得挙(えあ)げざりし病人の今かく健(すこやか)に起きて、常に来ては親く慰められし人の頑(かたくな)にも強かりしを、空(むなし)く燼余(じんよ)の断骨に相見(あひみ)て、弔ふ言(ことば)だにあらざらんとは
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
彼は唇(くちびる)の寒かるべきを思ひて、空(むなし)く鬱抑(うつよく)して帰り去れり。その言はざりし語(ことば)は直(ただち)に貫一が胸に響きて、彼は人の去(い)にける迹(あと)も、なほ聴くに苦(くるし)き面(おもて)を得挙(えあ)げざりけり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)