強請ねだり)” の例文
幾らカクラてえお強請ねだり申すのでげすから貰う方で限りはねえ、幾ら多くってもいが、お賤さんの方は沢山たんと遣りたくねえというのが当然あたりめえの話だが
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
気味も悪くもあるが、充分好奇心を動かされたらしく、良人おっとの顔を仰いで、いつも物強請ねだりをする時のように、大きい眼を細めて少し受け口の唇を歪めます。
葬送行進曲 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
然様さようでございますか? 何だかお強請ねだり致したようで真正ほんとうに恐縮でございます。坊や、有難うを仰有い」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
好むと雖も其質そのさが狡猾わるかしこ毎々つね/″\新町を始め惡所場をさわがし諸處に於て強請ねだりかたりなどせしが或時喧嘩けんくわにて人をあやめ遂に召捕れしうへ久敷ひさしく入牢じゆらうして居たれども相手方いのちつゝがなく御慈悲を願ひけるゆゑ遠島ゑんたうにも成べきを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はい/\有難ありがたうございます、誠にお檐下のきした拝借はいしやくするばかりでも、わたくし有難ありがたいとぞんじますのに、又々また/\強請ねだりまうして、お煙草たばこ粉末こなを願ひましたところ、かへつてお薬をくだされまして、はい有難ありがたぞんじます