弟御おとうとご)” の例文
「ほほ、これはなことを承りまする。御代参とあれば関白家も同じこと、弟御おとうとごの左大臣どのから遠慮のお指図を受きょう筈はござりませぬ」
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
母様っかさんも心配する、弟御おとうとごもございますが、是はまだ九歳で、何も役にたつ訳でもございませぬから、お母様も種々いろ/\心配なさるが、常に堅い人だから
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「それに専六さんが東京にいると、のち弟御おとうとごさんが上京することになっても御都合がよろしいでしょう」といった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
虫が好過よすぎらあ——神尾さん、あんたのおかげで、罪もねえ奥様や、また弟御おとうとごや伊豆伍夫婦まで召し捕られてつい御詮議せんぎ憂目うきめを見ていなさるのを、あんたは
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
桂月様は弟御おとうとご様おありなさらぬかも存ぜず候へど、弟御様はなくとも、新橋しんばし渋谷などの汽車の出で候ところに、軍隊の立ち候日、一時間お立ちなされ候はば、見送の親兄弟や友達親類が
ひらきぶみ (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
かすり衣服きものの、あの弟御おとうとごが、廂帽子ひさしばうしよこツちよに、土間どま駈足かけあしで、母樣おつかさん使つかひて、伸上のびあがるやうにして布施ふせするから、大柄おほがら老道者らうだうじやは、こしげて、つゑつたたなそこけて、やつこ兩方りやうはう
松の葉 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おい/\おっかさんが眼病で、弟御おとうとごが車を挽く事はお前さんが番毎ばんごと云いなさるから、耳に胼胝たこのいる程だが、ねいさんまアお母さんはあゝやって眼病でわずらってるし
左様そうすればお前得心ずくでなくきずを付けられて、ほかへ縁付く事も出来ねえ、それよりはうんと云って得心さえすれば弟御おとうとご仕合しあわせ、旦那もんな挙動まねを為たくはねえが
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)