“延(は)” の例文
また稀(まれ)に淵に臨んだ岨(そわ)やホキの無用の岩ガラに、藤が延(は)えていても採る人が多ければ補充が続かなくなる。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「なほなほに」は、「直直(なほなほ)に」で、素直に、尋常に、普通並にの意、「延(は)ふ葛の引かば依り来ね下(した)なほなほに」(巻十四・三三六四或本歌)の例でも、素直にの意である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
一一四簀垣(すがき)朽頽(くちくづ)れたる間(ひま)より、荻(をぎ)薄(すすき)高く生(おひ)出でて、朝露うちこぼるるに、袖一一五湿(ひ)ぢてしぼるばかりなり。壁には蔦(つた)葛(くず)延(は)ひかかり、庭は葎(むぐら)に埋(うづ)もれて一一六秋ならねども野らなる宿なりけり。
神産巣日御祖(かむむすびみおや)の命の富足(とだ)る天の新巣(にひす)の凝烟(すす)の八拳(やつか)垂るまで燒(た)き擧げ二六、地(つち)の下は、底つ石根に燒き凝(こら)して、𣑥繩(たくなは)の千尋繩うち延(は)へ二七、釣する海人(あま)が、口大の尾翼鱸(をはたすずき)二八さわさわに控(ひ)きよせ騰(あ)げて
風のむた、照る日のもとに、曳き延(は)へぬ。
その屋根を天に準(たと)えることは、新家屋を寿(ことほ)ぐのが主な動機だから自然にそうなるので、また、万葉巻十九(四二七四)の新甞会(にいなめえ)の歌の「天(あめ)にはも五百(いほ)つ綱はふ万代(よろづよ)に国知らさむと五百つ綱延(は)ふ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
蒪(ぬなは)繰(く)り 延(は)へけく一〇知らに
隱津(こもりづ)の 下よ延(は)へつつ一四