幼稚いとけな)” の例文
美徳びとくはふあやまれば惡徳あくとくくわし、惡徳あくとく用處ようしょ威嚴ゐげんしゃうず。この孱弱かよわい、幼稚いとけなはなぶさうちどく宿よどれば藥力やくりきもある、いでは身體中からだぢゅうなぐさむれども、むるときは心臟しんざうともに五くわんころす。
第一の叔は遠く奥州の雪ふかき山にうずまれ給いしかば、その当時まだ幼稚いとけなき我は送葬の列に加わらざりしも、他の三人の叔はおくさきだちて、いずれもこの青山の草露そうろしげき塚のぬしとなり給いつ
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おくりしにをつと忌日きにちもいつしか八年跡のそらとぞ過行すぎゆきける道之助今年ことし十歳に成けるに親は無とも子はそだつとやら母の手一ツにそだあげたる子ながらもうまれ付ての發明者はつめいものこと幼稚いとけなき心にも母が心盡こゝろづくしの程を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)