寒暖計かんだんけい)” の例文
そのみせには、ガラス内側うちがわに、宝石ほうせきはいった指輪ゆびわや、金時計きんどけいや、ぎん細工さいくをしたえりかざりや、寒暖計かんだんけいや、いろいろなものがならべてありましたが、なかにも
角笛吹く子 (新字新仮名) / 小川未明(著)
兎角とかくするうちにせつ立秋りつしうつた。二百十日にひやくとをかまへには、かぜいて、あめつた。そらには薄墨うすずみ煑染にじんだやうくもがしきりにうごいた。寒暖計かんだんけいが二三にちがりりにがつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そこで、イルコックとバクスターは時計がかりとなり、ウエップは寒暖計かんだんけい晴雨計せいうけい主任しゅにんとなり、一同の身神しんしんをなぐさむるためにガーネットは音楽の主任となって、ハーモニカを鳴らすこととなった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
今日きょうは雨が欲しく、風がこいしく、かげがなつかしい五月下旬の日であった。せみ、色づいた麦、耳にも眼にもじり/\とあつく、ひかる緑に眼はいたい様であった。果然かぜん寒暖計かんだんけい途方とほうもない八十度をした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)