天網てんまう)” の例文
魚がどんな惡いことをしたのか知らないが、天網てんまう恢々くわい/\を漁網の嚴密なのに持つて行つて、漁業家の主人を世俗的に喜ばせた筆者の氣轉が思ひやられる。
泡鳴五部作:03 放浪 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
とき髮結かみゆひ清三郎は上總かづさ迯行にげゆきし所天網てんまうのががたつひ召捕めしとら拷問がうもんの上殘らず惡事を白状に及びければこれまた引廻ひきまはしの上獄門ごくもん申付られけりさて亦お熊は引廻しのせつうへにはぢやうしたには白無垢しろむく二ツを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
積善せきぜんの家には餘慶よけいあり積惡せきあくの家には餘殃よあうありとむべなるかな此篇このへんのする所の村井長庵の如きおもて醫術いじゆつわざとし内は佞邪奸惡ねいじやかんあくほしいまゝにしておのれ榮利えいりつくさんとほつす然れども天網てんまういかで此惡漢わるものを通さん其とがめを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)