“夜頃”の読み方と例文
読み方割合
よごろ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むづかしげに暮山ぼさんめぐりし雲は、果して雨と成りて、冷々ひやひや密下そぼふるほどに、宵の燈火ともしびも影けて、壁にうつろふ物の形皆寂く、なまじひに起きて在るべき夜頃よごろならず。さては貫一もまくらに就きたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「あれ聞き給へ。此宿こゝはこゞゐの森にもあらぬを、この夜頃よごろたえせず声の聞ゆるが上に、ひるさへかく」と打出うちいだしたれば、友はときがたきおもゝちして、「何をかのたまふ」とたゞに言ふ。
すゞろごと (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
時雨ふるかかる夜頃よごろもひくく
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)