トップ
>
吃
>
どもり
ふりがな文庫
“
吃
(
どもり
)” の例文
こんなときの正成は、悪い方の右眼のまぶたに、かろい
痙攣
(
けいれん
)
の風を示すのだった。
吃
(
どもり
)
がその感情の
閊
(
つか
)
えを、唇に見せる、あれと似ている。
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古釘のように曲った老人の首や、
蚕
(
かいこ
)
のように
跼
(
せぐくま
)
っている
吃
(
どもり
)
男の背中や、まどろんでいる
婦
(
おんな
)
の胸倉や、蒼白い
先達
(
ソンダリ
)
の吊上った肩を、切傷のような月が薄淡く照らした。
土城廊
(新字新仮名)
/
金史良
(著)
「
産屋
(
うぶや
)
などへそんなお坊さんの来られたのが災難なんだね。そのお坊さんの持っている罪の報いに違いないよ。
唖
(
おし
)
と
吃
(
どもり
)
は仏教を
譏
(
そし
)
った者の報いに数えられてあるからね」
源氏物語:26 常夏
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ト
吃
(
どもり
)
ながら言ッて文三は
差俯向
(
さしうつむ
)
いてしまう。お勢は不思議そうに文三の容子を
眺
(
なが
)
めながら
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
五、
河童
(
かっぱ
)
の川知らず、
山案内
(
ギイド
)
の身知らず。ブルタアニュの漁師の着る
寛衣
(
ブルウジ
)
にゴム靴という、はなはだ簡便な
装
(
いでたち
)
をした
吃
(
どもり
)
のガイヤアルの
角灯
(
ランテルヌ
)
を先登にして「
尖り石
(
ピエール・ポアンチユ
)
」のホテルを出発。
ノンシャラン道中記:07 アルプスの潜水夫 ――モンブラン登山の巻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
その鏘々たる先生が、
最前
(
さいぜん
)
から
吃
(
どもり
)
の御姫様のようにもじもじしているのは、何か
云
(
い
)
わくのある事でなくてはならん。単に遠慮のみとはとうてい受け取られない。主人も少々不審に思った。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかも
吃
(
どもり
)
で、多病で、まことに劣等な資質を抱いて生れて居たのである。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
吃
(
どもり
)
の真似をすると
終
(
しまひ
)
には吃になつて了ふ。気違の真似をすると終には気違になつて了ふ。俺もこんな妄想を
拵
(
こしら
)
へてゐるうちに、或は本統に被害妄想狂になつて了ふかもしれない。全く愚なことだ。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
吃
(
どもり
)
の、
頭髪
(
かみのけ
)
の
箒
(
ほうき
)
のように延びた、人の好い男である。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
吃
(
どもり
)
の又平の作ウ、奈良朝御所の図ウ!」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
吃
漢検準1級
部首:⼝
6画
“吃”を含む語句
吃驚
吃逆
泣吃逆
吃々
逆吃
吃水
吃度
口吃
吃音
吃又
吃水線
吃驚仰天
吃者
泣逆吃
咄吃
吃驚敗亡
目潰吃
吃飯
訥吃
吃竹
...