口吃くちきつ)” の例文
貫一はいそがはしく出迎へぬ。向ひて立てる両箇ふたり月明つきあかりおもてを見合ひけるが、おのおの口吃くちきつしてにはかに言ふ能はざるなりき。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
白井しらゐさんが懷中電燈くわいちうでんとうをキラリとけて、さうつてくだすつた。わたし口吃くちきつしつゝかうべげた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
韓非かんぴかん(四四)諸公子しよこうしなり刑名法術けいめいはふじゆつがくこのむ、しかうして(四五)其歸そのき黄老くわうらうもとづく。ひと口吃くちきつし、(四六)道説だうぜいすることあたはず、しかうしてしよあらはす。李斯りしとも荀卿じゆんけいつかふ。