取押とりおさ)” の例文
東京でカフェーの女給を殺して、方々ほうぼうを逃げまわっていた奴を、そこで見つけて取押とりおさえようとすると、僕にむかってピストルを一発……。
影:(一幕) (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
書生の田崎が見付けて取押とりおさえたので、お玉は住吉町すみよしちょうの親元へ帰されると云う大騒ぎだけは、何の事かわからずなりに、然し私は大変な事だと感じた。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)
ば懸たりけるかくるより大膳はことあらはれしと思ければ刀引拔勢ひたけ縱横たてよこ十文字に切て廻り切死せんとはたらくを大勢にて取籠とりこめつゝ階子はしごを以て取押とりおさへ漸く繩を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ああ、八形八重やがたやえという年増女ですか。これはその場で取押とりおさえて、一時本庁へつれてゆきました」
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
持て我が寢所ねどころへ來りし故怪敷あやしくおも片蔭かたかげかくれてうかゝひしに夜着よぎの上より我をさし候樣子に付き取押とりおさへて繩をかけしなり此儀このぎ公邊おかみうつたへ此者を吟味ぎんみ致さんと云ひけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは日本の出来事じゃアないが、現に英国での𤢖を取押とりおさえた人の実話だ。まあ、聞き給え。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
まどろこしい郊外電話に癇癪玉かんしゃくだまを爆発させながら、それでもようやく警察署を呼び出し、自動車取押とりおさかたの手配をするとともに、また至急しきゅう自動車をゴルフ場へ廻すように頼んだ。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
以て千太郎が朝歸りの折柄をりから新吉原土手にて其方行逢ゆきあひ見るに忍びず異見いけんを爲すこと數度すどに及び千太郎面目めんぼくさににげんと爲すを其方取押とりおさへるはずみに咽喉のど呼吸こきふ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
警官が取押とりおさえようとする手をはらいのけて、勇敢にも室内へ躍り込んだが柱のかげにひそんでいる鬼村博士の姿を目懸めがけて飛びかかって行った。博士は悲鳴をあげて救いを求めた。
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
講師は不意に飛び出して取押とりおさえようとすると、賊は刃物を振廻ふりまわして激しく抵抗した。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そこで難なく取押とりおさえて、貴様は何者だと問うたが、賊は何とも返事をない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
取押とりおさえたるに付、会則第何条により除名す
麻雀インチキ物語 (新字新仮名) / 海野十三(著)