何用なによう)” の例文
きゝ上州よりたれも來るはずなしさては吉三郎たづね來りしならん此方こなたとほせとて吉三郎に對面たいめんし其方は何用なにようりて來りしやと云に吉三郎は叮寧ていねい挨拶あいさつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「一体、何用なにようがあってまいったのだ。こういう山家やまがということを存じながら、来たほうが悪いではないか」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(この土地は、たしかにイギリスにちがいないが、自分は何用なにようあってこんなところへ来たのであろう)
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ぼくは一たい滅多めつた封書ふうしよといふものをかない。そんなにひとわるやうこと場合ばあひはないからなア。それでぼく何用なにようでも大抵たいてい葉書はがきますのだが、し一まいりなければ二まいつゞきにする。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
何人なんびと何用なにようありてひたしといふにや親戚しんせき朋友ほういう間柄あひだがらにてさへおもてそむけるわれたいして一面いちめんしきなく一語いちごまじはりなきかも婦人ふじん所用しよようとは何事なにごとあひたしとは何故なにゆゑ人違ひとちがひとおもへばわけもなければ彼處かしこといひ此處こゝといひまはりし方角はうがく不審いぶかしさそれすらこと不思議ふしぎなるにたのみたきことありあし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
申入取次は斯と奧へ通じければやがて山内伊賀亮繼上下つぎかみしもにて出來いできたり與力に向ひ申す樣各々には何用なにようの有て參られしやといふにこたへて餘の儀に非ずたとへ何樣いかやうの御身分なりとも町旅館なさるゝ節は當所支配の奉行へ一應御とゞけあるべき筈なるに其儀もなくあまつさへ徳川の御表札に御紋付の御幕は其意を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)