亜米利加あめりか)” の例文
旧字:亞米利加
そこで、さき頃筆者が、山女魚と亜米利加あめりか系鱒を携え日本料理人組合会の最高幹部という仁に示し、その判別を試みたところ、ついに鑑識かんしきを得なかった。
雪代山女魚 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
西洋の食品屋では客が黙っていても向うで責任を負って上等の品物をちょうど食べ頃に持って来るそうです。亜米利加あめりかとりを買った人がこう申しました。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
はなは、大連から露西亜ろしあへ、露西亜から亜米利加あめりかの方へ行つて見たいと云つてゐらつしやいました。
忘れ難きことども (新字旧仮名) / 松井須磨子(著)
僕は話聖東わしんとんよりもフランクリンを景慕するヨ。フランクリンも官員でないとはいえないが。話聖東がボストンに義旗を翻がえし。三十余州を一致し。亜米利加あめりかに連邦を創立し。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
外国こと亜米利加あめりかだの欧羅巴ようろっぱの書生に較べて、日本書生のく悪い癖であって、ちょっと話振はなしぶりを聞くと、高尚なような、また深いように聞えるけれども、モウ三分か五分話していると
今世風の教育 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
いくたびも耳にし書で読んだ「この太洋のかなたに亜米利加あめりかあり」
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
秘密がなければ構わんでないか。ナニも同行するという訳でなし。大原君が欧羅巴よーろっぱにいる時お登和さんは亜米利加あめりかにいるという風にしたら誰が何というものか。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
亜米利加あめりかの近海にも英国のまわりにもいるという話である。太平洋は日本沿岸至る所に棲んでいて、南は台湾近海、琉球、九州、四国、紀州から東北、雄鹿半島から北海道まで棲んでいる。
鯛釣り素人咄 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
といって私どもの発明でもありません。亜米利加あめりか公使館に七年間もいた家庭料理の老練家で加藤桝次郎かとうますじろうという人が日本の食物を西洋料理に応用せんと苦心の結果で工風くふうした新料理です。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
主人「亜米利加あめりかでも欧羅巴よーろっぱでも最上等の御馳走さ。亜米利加では日曜日に牡蠣を ...
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ももの肉はズッと廉い、買い場所によると十銭以下だ。その腿がハムになると和製で一きん三十銭から三十五銭さ。亜米利加あめりかハムは一斤五十銭位だが仏蘭製ふらんすせいの上等ハムになると一斤一円二十銭する。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
玉子の雌雄を知る事が出来たら母鶏おやどりに抱かせたり孵卵器ふらんきれたりする時非常の利益だけれども今の知識ではまだその鑑別法が発見してない。亜米利加あめりかでは大金を懸賞してその鑑別法をつのっている。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)