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万筋
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まんすじ
ふりがな文庫
“
万筋
(
まんすじ
)” の例文
旧字:
萬筋
万筋
(
まんすじ
)
の野暮ったい
袷
(
あわせ
)
に、
手甲
(
てっこう
)
脚絆
(
きゃはん
)
をつけ、置手拭までした恰好は、誰に教わったか知りませんが、すっかり行商人の板についております。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
縦縞のうちでは
万筋
(
まんすじ
)
、
千筋
(
せんすじ
)
の如く細密を
極
(
きわ
)
めたものや、
子持縞
(
こもちじま
)
、やたら縞のごとく筋の大小広狭にあまり変化の多いものは
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
膝の抜けかゝった
盲縞
(
めくらじま
)
の股引に、垢染みた
藍
(
あい
)
の
万筋
(
まんすじ
)
の
木綿袷
(
もめんあわせ
)
の前をいくじなく合せて、縄のような三尺を締め、袖に
鉤裂
(
かぎざき
)
のある
印半纏
(
しるしばんてん
)
を
引掛
(
ひっか
)
けていて
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
万筋
(
まんすじ
)
の
唐桟
(
とうざん
)
のふところへ両腕を引っ込めて、だらしなくはだけた襟元から出した手で顎を支えて眠ってでもいるのか、それとも、何かほかのことを考えているのかもしれない。
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
老人は上田
紬
(
つむぎ
)
の
万筋
(
まんすじ
)
の
単衣
(
ひとえ
)
の下に夏
痩
(
や
)
せのした
膝頭
(
ひざがしら
)
をそろえて、
団扇
(
うちわ
)
で
蚊遣
(
かや
)
りの煙を追いながら、思いなしか眼ぶたをしばだたいているのは、除虫菊に
咽
(
むせ
)
んだのかも知れない。………
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
忙しい中で見ると、袷は無双になって、地味な老人縞の
万筋
(
まんすじ
)
の裏が、黄色い田舎縞になっており、世の常の袷とはまったく違っていたのです。
銭形平次捕物控:376 橋の上の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
今日
(
こんにち
)
は
身装
(
なり
)
の
拵
(
こしら
)
えがくすんでも居ず
華美
(
はで
)
でも無い様子、ちょっと適当の
装
(
なり
)
に拵え、旧九月四日の事でございましたが、
南部
(
なんぶ
)
の
藍
(
あい
)
の
万筋
(
まんすじ
)
の下へ、
琉球
(
りゅうきゅう
)
の変り
飛白
(
がすり
)
の
下著
(
したぎ
)
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
万筋
(
まんすじ
)
の浴衣一まい引っかけたきりで、小意気なようすに裾を端折り、手に、約束のつづら笠を下げているのだが——水の撥先をぱらり
捌
(
さば
)
いた
小銀杏
(
こいちょう
)
の髪に、鼻すじの通ったあお黒い顔
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
百松は、
万筋
(
まんすじ
)
の
単衣
(
ひとえ
)
を
端折
(
はしょ
)
って、舞台の上に
跼
(
かが
)
みました。蝋燭をかかげると、縛られたお村の顔よりは、自分の醜怪な顔の方が、
灯
(
あかり
)
の真ん中へヌッと出ます。
銭形平次捕物控:016 人魚の死
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
古渡
(
こわたり
)
の
錫
(
すゞ
)
の
真鍮象眼
(
しんちゅうぞうがん
)
の
茶托
(
ちゃたく
)
に、
古染付
(
ふるそめつけ
)
の結構な茶碗が五人前ありまして、
朱泥
(
しゅでい
)
の
急須
(
きゅうす
)
に今茶を入れて呑もうと云うので、南部の
万筋
(
まんすじ
)
の
小袖
(
こそで
)
に
白縮緬
(
しろちりめん
)
の
兵子帯
(
へこおび
)
を締め、
本八反
(
ほんはったん
)
の
書生羽織
(
しょせいばおり
)
で
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私
(
わっち
)
さ、
扮装
(
なり
)
を
拵
(
こしら
)
えるね
此様
(
こん
)
な
扮装
(
いでたち
)
じゃアいけないが
結城紬
(
ゆうきつむぎ
)
の茶の
万筋
(
まんすじ
)
の着物に上へ
唐桟
(
とうざん
)
の
縞
(
らんたつ
)
の通し襟の
半※
(
はんてん
)
を
引掛
(
ひっか
)
けて
白木
(
しろき
)
の三尺でもない、それより
彼
(
あ
)
の子は
温和
(
おとなし
)
い方が好きですかねえ
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「茶がかった
万筋
(
まんすじ
)
の古い
袷
(
あわせ
)
のようでしたが」
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
達摩返しと云う
結髪
(
むすびがみ
)
で、
一寸
(
ちょっと
)
いたした
藍
(
あい
)
の
万筋
(
まんすじ
)
の小袖に黒の
唐繻子
(
とうじゅす
)
の帯で、上に
葡萄鼠
(
ぶどうねずみ
)
に小さい
一紋
(
ひとつもん
)
を付けました
縮緬
(
ちりめん
)
の
半纏羽織
(
はんてんばおり
)
を着まして、其の頃
流行
(
はや
)
った吾妻下駄を穿いて這入って来る。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
万
常用漢字
小2
部首:⼀
3画
筋
常用漢字
小6
部首:⽵
12画
“万筋”で始まる語句
万筋結城