“そうそつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
匆卒40.9%
倉卒27.3%
匇卒13.6%
怱卒9.1%
草卒4.5%
走卒4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
滝田くんについてはこのほかかたりたいこともないわけではない。しかし匆卒そうそつあいだにもかたることの出来るのはこれだけである。
滝田哲太郎君 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
美奈子が、顫える声で、それに答えると、支配人は幾度もびながら、倉卒そうそつとして去った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
いさゝ匇卒そうそつの説を為し、我が平民界の「侠」及び「粋」の由つてきたるところを穿鑿せんさくしたるに過ぎず。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
丁度烏賊いかが、敵をおそれて、逃げるときに厭な墨汁を吐き出すように、この男も出鱈目でたらめな、その場限りの、遁辞とんじを並べながら、怱卒そうそつとして帰って行った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
平生ふだんから心掛けて概略は知っているものであるが、いざ、これを手掛けるとなると、草卒そうそつには参らぬので、栗鼠を一匹鳥屋から買いましてうちに飼うことにして
「一般の読者は低劣なものでしょう。使丁してい走卒そうそつを相手にする気でふざけ半分に書けばよいのでしょう。」
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)