“やどがへ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
宿替66.7%
転宿33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
隨而小弟にも無異かはりなく罷在、當分は宿替やどがへにて獨居いたし、間々まゝ夢中には貴丈あなたに御逢申上候。偖大變到來仕、誠に紅涙にまみれ、心氣絶々たえ/″\に罷成、悲憤の情御察可下候。
遺牘 (旧字旧仮名) / 西郷隆盛(著)
背後うしろ野原のはらところで、肝玉きもたま宿替やどがへした。——あれ一面いちめんかすみなかけむりつゝまれて、しろ手足てあしさびいく/\ながら、ほり石垣いしがきけてつるがるやうにえたゞもの。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蓮華寺れんげじでは下宿を兼ねた。瀬川丑松うしまつが急に転宿やどがへを思ひ立つて、借りることにした部屋といふのは、其蔵裏くりつゞきにある二階の角のところ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
丑松が転宿やどがへを思ひ立つたのは、実は甚だ不快に感ずることが今の下宿に起つたからで、もつとまかなひでも安くなければ、誰も斯様こんな部屋に満足するものは無からう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
気掛りなは下宿の主婦かみさん思惑おもはくで——まあ、この突然だしぬけ転宿やどがへを何と思つて見て居るだらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)