“ひきい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒキイ
語句割合
引入57.7%
惹入11.5%
11.5%
引出7.7%
挽入3.8%
曳出3.8%
誘入3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
再び夢心に引入ひきいれられもしたのでありましょうけれど、なかなか、そんな事を云っていられる混雑方こんざつかたではなかったのです。
甲乙 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おもふと、其事そのこと頭脳あたま惹入ひきいれられて、様々さま/″\空想くうさういてる。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
法浴の後の一物にも染まない浄身をひきいて、再び人間に生れ戻るが宜い。お前が今、再びこの世に眼を開く時、さし出ずる慧日は必ずやお前に新なるものを見せるであろう。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
に入りて四辺あたりしづかになるにつれ、お村が悲喚ひくわんの声えて眠りがたきに、旗野の主人も堪兼たまりかね、「あら煩悩うるさし、いで息の根を止めむず」と藪の中に走入はしりいり、半死半生の婦人をんな引出ひきいだせば
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
行き行きて車はこの小路の尽頭はづれを北に折れ、やや広きとほりでしを、わづかに走りて又西にり、その南側の半程なかほど箕輪みのわしるしたる軒燈のきラムプを掲げて、剡竹そぎだけを飾れる門構もんがまへの内に挽入ひきいれたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
黄昏の頃油揚坂より続々として曳出ひきいだす、馬車、腕車数十輛、失望、不平、癇癪かんしゃくなどいう不快なる熟字を載せたるは、これ貴婦人の帰途かえるさにて、むだになりたる百余俵の施与米を荷車に積みて逆戻り
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「素的素的」ガルールはすっかり誘入ひきいれられてしまって、「その加勢の人数にんずあっしが引受けます。一週間と経たないうちに、きっと纏めてつれて来ます」