“のぞみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ノゾミ
語句割合
51.0%
希望37.8%
願望2.9%
所望1.2%
欲望1.2%
要求1.2%
慾望0.8%
期待0.8%
欲求0.4%
企望0.4%
懇望0.4%
目的0.4%
0.4%
要望0.4%
野望0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
修行しようと云うのぞみに、寄食しようと云う望が附帯しているとすると、F君の私を目ざして来た動機がだいぶ不純になってしまう。
二人の友 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
同時に長吉ちやうきち芝居道しばゐだう這入はいらうといふ希望のぞみもまたわるいとは思はれない。一寸いつすんの虫にも五分ごぶたましひで、人にはそれ/″\の気質きしつがある。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
年は十九だそうだが、手紙の文句からして、その表情の巧みなのは驚くべきほどで、いかなることがあっても先生の門下生になって、一生文学に従事したいとの切なる願望のぞみ
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
お前のく唯継だつて、もとより所望のぞみでお前をもらふのだから、当座は随分愛しも為るだらうが、それが長く続くものか、かねが有るから好きな真似も出来る、ほかたのしみに気が移つて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
去る十七年の夏、偶事に因て出京せるを幸い、平素ひごろ欲望のぞみを達せん事を思い、旅寓に投じて、行李を卸すや否や、先ず主人を呼で二氏の近状を問う。
松の操美人の生埋:01 序 (新字新仮名) / 宇田川文海(著)
「百姓をあまり苦しめてはならぬ。彼らの要求のぞみ入れておやりなされ」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
判斷が消えてしまつた。目の前の女は乃ち女である。何等の社會的關係もない。束縛もない。目の前の女は唯だ單に、私が慾望のぞみの對照物として忽然現れ出たものとしか見えなくなつた。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
それがいささかなりとも、現世げんせ方々かたがた研究けんきゅう資料たしともなればとねんじてります。何卒どうぞあまり過分かぶん期待のぞみをかけず、お心安こころやすくおききりくださいますように……。
ただ我は云わむ、わが夢、わが欲求のぞみマカよ、きみが
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
ただ我は云わむ、わが欲求のぞみマカよ、我はきみが
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
嗚呼をこがましけれど雪三せつざう生涯しやうがい企望のぞみはおまへさましん御幸福ごかうふくばかりと、ひさしてことばりつ糸子いとこおもてじつとながめぬ、糸子いとこ何心なにごゝろなく見返みかへして、われ花々はな/″\しきにならんのねがひもなく
たま襻 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
両親も大変喜んで種々いろいろ先方さきの男の様子も探ってみたが大した難もないし、ことに先方からのっての懇望のぞみでもあるから、至極良縁と思ってそれを娘にはなすと、一度は断ってはみたが
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
人助けが目的のぞみだと申しますこと、では御岳おんたけにおられようと、江戸へおでかけになられようと、同じに人助けは出来ます筈、それに御岳には永らく住まれ、功徳くどくをお果しなさいました
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一小岡にして海にのぞみ涼風そゝぐがごとし。土人の説に聖武帝の貞観元年に宇佐より此地に移し祀といへり。是亦大内義隆の所造なり。舞台上より望ときは小倉内裏より長府の洋面に至まで一矚の中にあり。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
今日まで彼の要望のぞみを延ばし、切刃詰まった今日になって、貴郎あなた様に討っていただきましたことも、ご縁があったからでござりましょう
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
野望のぞみに向って突進し、累卵るいらん巌壁がんぺきになげうつような真似まねをして、身をほろぼしてくれねばよいが——と、思うての——
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)