“しばい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:シバイ
語句割合
芝居55.7%
演劇18.6%
演戯6.2%
劇場6.2%
司馬懿4.1%
3.1%
戯場1.0%
一座1.0%
四場居1.0%
大劇場1.0%
探偵劇1.0%
真打1.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それから、三人そろって、芝居しばいを見に行きました。なにをやっていたか、もう忘れています。多分、碌々ろくろく、見ていなかったのでしょう。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
でっぷりと肥えし小主計は一隅いちぐうより莞爾かんじと笑いぬ。「どうせ幕が明くとすぐ済んでしまう演劇しばいじゃないか。幕合まくあいの長いのもまた一興だよ」
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
新公が悶死したことにいていろいろの噂が伝わった。それによると、米が海産問屋の公子と立待岬から投身したのは、新公がくんだ演戯しばいであった。
妖蛸 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あの着物を買いたいの、此処へ往って見たいとか劇場しばいきたいとか種々いろ/\云い出して、チン/\をするくらい無理なのはありませんよ
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「たいへんです。司馬懿しばいみずから、およそ十五万の大軍をひきい、真直ぐにこれへせてくる様子です」と、声を大にして伝えた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この……県に成上なりあがりの豪族、色好みの男爵で、面構つらがまえ風采ふうつき巨頭公あたまでっかちによう似たのが、しばい興行のはじめから他に手を貸さないで紫玉を贔屓ひいきした、既に昨夜ゆうべもある処で一所になる約束があった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
役人が来て検視の際に、古い箱のなかから戯場しばいの衣裳や松脂の粉を発見して、ここに初めてかれらの巧みが露顕したのであった。
又あるときは、戯場しばいで用いる仏衣を買って来て、菩薩や羅漢の形をよそおい、月の明るい夜に家根の上に立ったり、樹の蔭にたたずんだりする事もある。
それからすこし経って師匠燕枝の一座しばいで横浜へ行きましたが、このとき私が「本膳」を演ったら、その晩、年枝という兄弟子が私を万鉄といううし屋へ連れていってくれ、お前はたしかに出世をする
初看板 (新字新仮名) / 正岡容(著)
元禄年代には鳥居清信とりいきよのぶが『四場居しばい百人一首』の如き享保きょうほう年代西川風にしかわふうの『絵本かがみ百首』の如きまた長谷川光信はせがわみつのぶ鯛屋貞柳たいやていりゅうの狂歌に絵を添へたる『御伽品鏡おとぎしなかがみ』の如きものあり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
いわゆる三座と称せられた江戸大劇場しばい濫觴らんしょうで(中村座、市村座、山村座。そのうち山村座は、奥女中江島えしまと、俳優生島新五郎いくしましんごろうのことで取りつぶされた)、堺町さかいちょう葺屋町ふきやちょうにあった。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
あのね。妾もね……この劇場こやにも、探偵劇しばいにも毛頭、未練なんかないんですけどね。折角、轟さんと一所に永年こうやって闘って来たんですから、せめての思い出に最後の一旗を
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「俺はこいつが可愛い。可愛いんだ。そのこいつの真打しばいを邪魔立てするのはお前、俺に楯突こうてのも同じだぞ」
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)