“さしもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:サシモノ
語句割合
指物67.9%
差物14.3%
差刀7.1%
差旗3.6%
揷物3.6%
3.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
入口の格子を叩いたのは、顏見知りの隣り町の指物さしもの職人——といふよりは、小博奕こばくちを渡世にしてゐる、投げ節の小三郎といふ男でした。
「されば、これはみなわが白旗城を包囲していた敵が、攻め口を解いて逃げ落ちるさい、道の諸所にあわてて捨て去った差物さしものにござります」
私本太平記:11 筑紫帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武蔵が、はて? ——と感じたわけは、怖ろしく敏捷びんしょうなのと、黒扮装いでたちとはいえ、差刀さしものこじり足拵あしごしらえなど浮浪の徒や、ただの野武士とは、見えなかったからである。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ヒラリとたまりへかえった加藤孫一、使番目印つかいばんめじるし黄幌きほろに赤の差旗さしものにつッたて、馬をあおって、右陣うじん福島市松ふくしまいちまつのところへけとばした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこから、舞台の左右へ、黒い甲冑の武者たちが、およそ五十人ばかり、それぞれ背に揷物さしものを立て、槍、長巻、弓などを手に、居並んでいた。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
牡丹形の蒔絵まきえの櫛に金足の珊瑚たまさしもの、貞之進は我伏糸わがふしいとが見られるようで、羽織の襟をそっとひっぱって居たもおかしかった。
油地獄 (新字新仮名) / 斎藤緑雨(著)