“さしまね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
82.6%
6.5%
指招6.5%
差招2.2%
指麾2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(右手を挙げてさしまねく。)あ、やうやう聞こえたさうな。やれ、うれしや。なう、喃、菊枝どのいのう。早う、早う、菊枝どのいのう。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
老夫は鞭をうさぎうまに加へて、おのれもひたと引き添ひつゝ、暗きみちせ出せり。われは猶媼の一たび手もてさしまねくを見しが、その姿忽ちかさなる梢に隱れぬ。
爾時そのとき何事とも知れずほのかにあかりがさし、池を隔てた、堤防どての上の、松と松との間に、すっと立ったのが婦人おんなの形、ト思うと細長い手を出し、此方こなたの岸をだるげに指招さしまねく。
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お杉は痩せた手をあげて差招さしまねくと、お葉はさながら死神のむかいを受けた人のように、ただふらふらと門口かどぐちへ迷い出た。お清もつづいて追って出ると、ばばあしずかみかえって
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
身動みじろぎに乱るる黒髪。もとどりふつ、と真中まんなかから二岐ふたすじさっとなる。半ばを多一に振掛けた、半ばを握ってさばいたのを、かざすばかりに、浪屋の二階を指麾さしまねいた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)