山果集さんかしゅう
海の青さに耳をたて圍ひの柵を跳び越える仔羊 砂丘の上に馳けのぼり己れの影にとび上る仔羊よ 私の歌は今朝生れたばかりの仔羊 潮の薫りに眼を瞬き飛び去る雲の後を追ふ 雷の後かみなり蝶が村へくる 村長邸の裏庭の百合の花粉にまみれてくる 交番のある …