余震の一夜よしんのいちや
或夜中に私は寝所について、いくらか眠つたと思ふ頃に、又人騒がせな余震があつたとみえて、家中騒ぎだした。私は夢心地にこの地震を感じたに違ひなかつたが、どのくらゐの強さで初まつたかを、感ずるほど微細な知覚は働いてゐなかつた。私は今度の大地震を経 …