一夕観いっせきかん
其一 ある宵われ牕にあたりて横はる。ところは海の郷、秋高く天朗らかにして、よろづの象、よろづの物、凛乎として我に迫る。恰も我が真率ならざるを笑ふに似たり。恰も我が局促たるを嘲るに似たり。恰も我が力なく能なく弁なく気なきを罵るに似たり。渠は斯 …