火もき起さなければ、燈火あかりもつけないで、隣室との応対をつづけているのですから、やっぱり光景そのものからいうと、黒漆崑崙夜裡こくしつこんろんやりに走るとか、わだかまるとか言うべきもので
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)