堂上方の式事は、誰にもせよ、そうわきまえているはずもない。例年の御馳走人は、いずれも、高家吉良上野介こうけきらこうずけのすけ指南しなんをうけて、とどこおりなく、相勤めておる。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)