その間にけばけばしい色彩で壁に淫靡いんびな裸体女と踏みにじられた黒人を描いて、思わせ振りな暗い入口が五六段の階段の上についている食しんぼう小屋ラ・バラック・ド・グウルユのようなものが混っている。
巴里祭 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)