顫音トリロ)” の例文
眞紅のデコルテを著た、髮の黒い、目の大きな、痩身の少女は、最初、母親らしい婦人の伴奏で、タルティニの「惡魔の顫音トリロ」にその妙技を見せた。
四葉の苜蓿 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
(まるで最初に彈いた「惡魔の顫音トリロ」のなかからでもちよいと彈き手の心の弛んだ隙間にまぎれ込んでしまつたやうな)そんな不意打ちにすつかりおびえながら
四葉の苜蓿 (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)