「なるほど、聴耳筒ラウシュレーレンか——。その恐ろしさを知っているのは、独り伸子のみならずさ」と法水は、苦笑を交えながら独りうなずきをして、「事実も事実、ファウスト博士の隠形聴耳筒おんぎょうラウシュレーレンたるや、 ...
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)