船は満員で皆入込いりごみのごろ寝をした中で、長谷川如是閑はせがわにょぜかんと自分と二人だけは、老人というかどをもって好い船室を与えられ、自由に起臥していたのが問題になったものか
狸とムジナ (新字新仮名) / 柳田国男(著)