びた)” の例文
元の渡世へ戻りさえすれば、うぬに銭金ぜにがねびた一文なくても、食う寝るには困らねえ。
沓掛時次郎 三幕十場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
今はびた一文無くしてしまつたのでたゞ不機嫌に黙り込んで饑じさを顔に物言はせてゐる子供たちの中に交つて狂乱したやうに坐つてゐなければならないやうな目に合はせて引上げるのであつた。