車持くらもち)” の例文
この一段は、古註によりますと、萬葉集卷十六の車持くらもち氏の娘子の戀夫君歌を採つて換骨脱胎して一篇の物語としたのであらうと言はれて居ります。
伊勢物語など (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)
車持くらもち氏の娘が、ひさしく夫が通はないために、戀ひ焦れてその果は病氣になり、いよいよ臨終といふ際に、使をやつて夫を呼びよせたが、夫の顏を見ると、泣きながらこの歌をくちずさんで
伊勢物語など (旧字旧仮名) / 堀辰雄(著)