此春、文化十二年の春となつてから、菅茶山が初て蘭軒を訪うたのは、伊沢家に於て例として客を会する豆日草堂集とうじつさうだうしふの日であつたらしい。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)